2007年08月26日

「変わらない方がいいもの」と「変えるべきもの」@

非常に感覚的な話だが日本人は集団として「変わらない方がいいもの」と「変えるべきもの」を識別してそれぞれの問題解決に取り組んでいく能力に著しく欠けて居るのではないか、と思うことがある。

アメリカはそもそも「変わらない方がいいもの」なんぞほとんど持って居ない。何故なら大した歴史が無いからだ。この国にとって重要なのは錦の御旗としての「フロンティア精神(自分の身は自分で護ると言う発想もここから来ている)」や「市場経済の信用性維持」と言った非常にシンプルで分かり易いものだ。
前者はアメリカンドリームがまだアメリカに有ることとも繋がっていくが、銃規制がなかなか進まないと言う現実にも繋がっていく。
後者が最も明確に示された事例は、個人的にはアーサーアンダーセンの解体だったのではないかと思う。日本では反社会的な経営を行っていた企業や組織の多くが生命維持装置を付けられたまま今も不自然に生きながらえている。潰れたらその従業員や下請けの人々が皆路頭に迷うと言う大義名分の元でだ。だが、こんなバカな事は無いと思う。日本社会にセーフティネットが無いことこそが問題であり、場当たり主義的に社会的に信用度を喪った企業をそのまま活かしておいても何の解決にもならない。ただ、アメリカでは偽装問題程度では反社会的というレッテルは押されない気がする。この国では株式市場での評価でその企業や経営陣を抹殺していくのではないだろうか。特定の巨大企業の不祥事では相応の社会的制裁もあると感じるが、日本の様に国中で寄って集ってと言う気味の悪い現象はあまり多く見られない。

一方の欧州はこれまた極めて多様な文化が入り混じっていて一言で括ることなど不可能ではあるのだが、常に国境線を意識しながら他国の侵略や干渉に危機感を抱いたり、逆に他国に侵略・干渉してねじ伏せてきたりと言うことを日常生活の歴史の一部としてきたこのエリアの人々は、変えないで残すべきもの(例えば民族的な慣習とか宗教心とか古代からの自国のルーツとなる様な遺跡など)と変えるべきものを瞬時に理解する訓練が出来て居る様な気がする。

それはともかく、「変わらない方がいいもの」と「変えるべきもの」の話だが、日本と言う国において今明確に分かって居るのは国家を運営する国会と政府と官庁のシステムが既に崩壊しはじめていることだ。
にも係わらず、内部の当事者達が全く気付いていない様な発言と行動を繰り返して居ることに鳥肌が立つほどの違和感と恐怖を感じる。

政治家は本来社会(と言うか世界)の変化を読み取って、未来を予見しつつ、国家をより良い方向に導いていくべき存在のはずだ。まぁ僕の勝手な理想像だが。国益を最大化することこそが政治家の任務と言うような極論もあるが、一人の政治家(というより人間)に出来ることなどたかが知れており国益を優先するなり何らかの問題に取り組むなりはその人のライフワークが何処にあるかにヨリケリだろう。その辺は、その為に数多くの政治家が居るのだから、全体としてバランスを取れればいい。だが、何れにせよ、そのライフワークの全ては人気取りの為ではなく、信じる国益なり人類愛なり美しい国なり何だか分からないがとにかく公共益となる様なものに基くべきだ。
最近の政治家の言動や行動を見ていると、まぁ選挙の前後と言うのを差し引いて、加えてもっと長いスパンで見てみると、彼らの興味は永田町の中の勢力争いとか、自民党と民主党の第1党争いとか、非常に小さなコップの中での出来事であることが良く分かる。
確かに目の前の今そこにある危機こそが、政治家自身やその家族、加えて政党や派閥にとっての死活問題なのは良く分かる。だが、そんなことばっかり、国の意思決定をやってる人達が考えててどうすんの?ってことです。彼らの資質にも非常に疑問が有るが、最大の問題点はやはり「選挙制度」と「マスコミを含む国民の政治や国益への無関心・無知」ではないだろうか。加えて利益誘導型の政治スタイルが既に限界を超えているにも拘らず、それを変えたくない勢力と変えないといけないことを理解していない勢力がうろうろしていることも非常にネガティブな要因だと思う。

国家のトップがこの有様でその場凌ぎの何ら抜本的インパクトの無い無益な政策の破片を連射することのマイナスは計り知れない。

何でこういう制度を本気で変えようとしないのか。
何で省庁再編とかそういう小手先ばかりで抜本的な官僚制度の見直しとかしないのか。
何で選挙制度や国会の姿かたちを変えて国をもっと有機的に運営出来るように出来ないのか。
何でプロゴルファーのお父さんで人気が有るだけの人や特別な経験も無さそうなほぼ現役ニュースキャスターが国会議員になれるのか。

確かに田中角栄の作った利益の分配システムは崩れつつあり、既得権益にしがみ付く人々の姿が醜く目立つ世の中にはなってきた。これは小泉前首相の残した最大の遺産だと言う指摘があるが賛成である。そして政治のシステムは変化し始めている様にも見える。だが、何もかもが遅過ぎる。グローバリゼーションが進み、ネットでの情報伝達はほぼリアルタイムに世界を繋ぐ。加速度的にスピードを上げている世界の回転の中で日本の国家としての意思決定は余りにも遅く悠長で牧歌的ですらある。

そして、議論は何時も瞬間的に沸騰し、ただ対象を袋叩きにし、何も結論を必要とせず、徐々に消えていく。全ては先送りされるか、スケープゴートになった象徴的人物の全てを奪い取って終わる。

例えば日本国憲法だって改正していくべきものだと思う。アレが全てなんてアホな話は無いだろう。それじゃ野球憲章がどうのこうのといい続ける日本高野連と大差ない。変える必要の有る者は変えていくべきだ。

時間は流れているし、時代は変わっていく。人類が未来永劫存在し続ける可能性など恐らくは無いと僕は信じている。まぁ億年単位の話だが。
何れにせよ、我々の生きてる世界には時間があり、時流がある。万物流転である。ならば変わらないこと、変えないことは罪だし、変わらなければ死んでしまう。僕はそう信じてる。

阿部首相の最近の苦悩は計り知れないし、そもそもメディア経由でも全然伝わってこないので何とも言えないのだが、心情的に彼を応援したいと思って居る僕ですら応援する材料が無いくらい彼は国民に語る言葉を持って居ない様で非常に寂しい。一国の宰相がこの表現力と行動力の乏しさとはいったい何なのだろうか・・・

と結局政権批判になってしまうのが最近の傾向だが、日本の未来はこれから10年に懸かって居ると思う。今始めなければ間に合わない。

日本は素晴らしい国なのに、その閉鎖性(島国根性とも言うが)と内向きな姿勢(言語の壁も大きく作用していると思う)で多くの可能性を閉じていると思う。

今変えなければ、閉じたままこの国は沈むのではないか。
そんな危機感を持つ今日この頃。そしてまた、そういう危機感を共有出来る人間が日本にどれくらいいるのだろうか。

尻切れ蜻蛉な感じですが、今日はこの辺で。
posted by Harvey at 03:47| ニューヨーク 🌁| Comment(0) | TrackBack(1) | 時事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月19日

国家存亡の危機

まぁ今日明日と言う話ではないですが。
正直言って今の日本は国家存亡の危機に有ると思います。これは自信を持って言える。これからの5年から10年が日本の今後100年を決めていくと思います。

明白な理由は人口の減少、これに尽きる。日本は世界で2番目の経済規模を誇る国ですが、その経済を支える多くの企業は2分される。1つはトヨタやホンダ、SONY(現在低迷しているけど)等を例に挙げると分かり易いけど、輸出と言うか日本での売上だけに頼らないGlobalな企業群。もう一方はイオンやセブン&アイなどの小売業に代表されるような、多くの売上や利益を日本国内の市場で上げている企業群である。(正確にはイオンもセブンアイも海外での事業展開を積極的に実施しているので例として挙げるのには相応しくないのかも知れないが)

まぁ細かいことはともかく、日本の人口の縮小は日本の市場縮小にダイレクトに繫がり、それが意味することは日本経済の縮小均衡と言う結果ではないのだろうか。ユニクロの海外での苦戦や電器系企業の海外での苦戦(サムスンの欧米海外市場での躍進と比較すると絶望的に明白な劣勢)を考えれば日系企業が海外で成功するには日本市場の大きさと閉鎖性が重い足枷になっていることが良く分かる。日本の国内での成功≠海外市場での成功への方法論確立なのだ。

と、糸山英太郎氏のHPを読んだ2時間後の今なのでやや断定口調で書いてしまっているのはご愛嬌ですが、やっぱり日本は現在危機的状況にあると思う。その状況を最も如実に示す、既に崩壊しつつある旧き良き日本的システムは下記に列挙するものと考える。

1、教育制度とそこに係わる人々の思考回路
(国家としての戦略も展望も無い教育方針を練る愚かな政府と島国の小競り合いで満足する愚かな聖職者の上層集団)

2、政治システムと権力者の思考回路
(利益誘導型の政治体制の終焉に気付かぬ無知蒙昧な政治家と知名度だけで候補者を選ぶ愚かな有権者、古い文脈で国益を語る視野の狭く志の低い政治家達、国家よりも家の理論や私怨と私心で政治を志す2世・3世世代の存在)

3、既得権益に縛られ現状以下を恐れて闘えない官僚組織とその常識
(優秀な頭脳を腐らせながらハードワークに耐える公僕達と愚かな政治家の無益な鬩ぎ合い、闘いを避ける術に長けた者は上りつめそうでない者は外に出て行く霞が関のマインドセット)

4、未だにマスを信じ続けているマスメディアと未だに己とメディアが世の中のメジャーだと疑いなく信じて踊り続ける愚かな大衆、その双方の文脈
(そもそもそんな大衆が存在すること自体僕は疑っている)

5、コップの中でささやかな自己満足に浸り保身で生きる医療界とその虚栄心の満たし方、競争方法
(既にピラミッドの崩壊は近そうだが最後の一押しにはまだ時間がかかるのか)

多くを書くには時間も心の余裕も無いので書かないけど、上記の5つの問題は火急で解決に向けて動く必要のある国家的問題点であるはずだ。何れも国家により法的に護られてきた業種であるのだが。現在のところ本質的な議論は為されず、解決に向けた問題提起すら公にはされて居ない。ただのその場凌ぎの本質的ではない対応策が謳われているだけだ。

そういうその場凌ぎを許している、そういう国民こそが最大の癌であるのかも知れない。

僕はビジネス界だけが日本と言う国を変えられる、と、今は信じている。だが、その経済界でも信じられない様な企業が多い。

じゃぁ誰がやんの?
意志を持った人々がそれぞれの場所で闘うしかないはず。
それを信じて行きたいが残された時間はそれ程長くない。
そういう危機感を日本人には持って欲しいと、日本人として切に願う次第。
僕は僕の場所で頑張ります。
僕の友人達にも是非それぞれの場所で頑張って欲しい。
そしてそれ以外の全ての心ある人々に。

そして全てが少しでもこの世界全体を良くして行けることを。
国益なんて小さな話だけじゃなく、人類としてのBenefitも頭の片隅において、指導者は進むべき時代がもう来ているはずだから。


相変わらず纏まりが無いですがご容赦願いたく。
posted by Harvey at 10:56| ニューヨーク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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